迷わず選べる粗大ゴミ
本来ならリスクを取って企業を応援するという投資家に対して、制度や税制でしっかり応援すべきなのだが、なぜかすぐにマスコミを中心に「金持ち優遇けしからん」となるそのためデイトレーダーばかりがバッコしているが、投資ではなくトレーディングであり、こんな動きに引っかき回されている市場は本来的なあるべき市場とはとても言えまい。
いま日本人が心すべきは、まずこの小作人のDNAから脱皮し、他人任せや政治、行政に頼ることを止め、自ら主体的に考え行動することだろう。
りっぱな投資家が企業を育てていく姿を見れば、世を皮肉な日で見がちな若者たちも日本を見直すはずである。
「衣食足りて礼節を知る」と古人は言ったものだが、現代の日本では死語となっているようだ。
それどころか、なまじ小ガネ持ちになって礼儀は忘れ、言葉も無茶苦茶になり、つれて人情も紙のように薄くなり、ギスギスした世になっている。
もし曾祖父(ひいじい)さんが生き返っていまの日本を見たとしたら、おそらく怒り狂うことだろう。
食うや食わずの過去の日本とは全く異なり、うまいものを必死に探して飽食した挙げ句、今度はダイエットのために走りもしない自転車を有料で漕いでいる曾孫の姿を見れば絶句するだろうし、おまけに願っていることが更なる贅沢だと知れば悶絶するだろう。
しかも、それでまだ文句たらたらだから、人間とはどこまでも欲深く堕落するものらしい。
こんな飽食の日本で忘れられているのが「分別」とか「分を知る」というゆかしい言葉である。
その好例が株の世界であり、いまの日本の縮図をそっくりそのまま見ることができる。
自分では考えることもせずに「何かいい株はありませんか」と人に尋ね、それで損でもすると「損をさせられた」と恨むし、リスクを取って頑張った人に対しては、何かうまいことをやったのではないかとひがむ。
「金持ち優遇はけしからん」と言っている連中に限って、金持ちになろうとする努力もしていない。
努力もせずリスクも取らないのなら、人より上に行けるはずもないのに、分別のなさとは恐ろしいもので、嫉妬とねたみだけは一人前だから始末が悪い。
こんな日本に誰がしたと責め、あいつが悪い、こいつが悪い、政府は何していると見当違いの責めを叫ぶ前に、では自分は国のため、人のため、会社のために如何ほどのことをしているのか、またこれまでにどれだけの努力をしたのかを問うべきだろう。
考えることを止め、「親方日の丸」に拠りかかってきたツケが、いまや大変な財政赤字となって年金などにはね返っているし、次は介護保険、健康保険が大変なことになるのは誰の目にも明らか。
その帳尻合わせがいずれ社会保険料の値上げ、消費税アップとなる証券市場活性化税と呼ぶのが正しいのではその行方が注目されていた証券税制は、取りあえず1年延長することで決着し、売却益、配当に係る税率の17%、配当の分離課税という現行の税制は2008年までは続くことになった。
市場の無用の混乱や株離れは何とか目先は凌げるだろうが、年末にはまた蒸し返され大騒ぎになるのかと思うと、いったいこの国は市場を何と心得ているのかと、甚だ疑問には自明の理である.そうなってから国を責め、役人に怒ってみても「遅すぎ」であり、分を忘れて勝手なことばかりしてきたツケが回ってきたと潔く諦めて、自ら住み難くした国に住むしかあるまい。
自業自得という。
いまさら、自己責任など言う気もない。
自分の行動の責任はすべて自分にあるのが世の摂理なのだから、厭なら分を弁えること、身の丈に合った生活を考えるべきであろう。
人のせいにするなんてとんでもないことだ。
身から出た錆なのである。
多くは株価の分析・チャートの読み方から入るから、肝心の市場の本来の役割が忘れられ、株価に投資するトレーダーばかりになって、末長く保有しながら企業を応援する株主が育っていない。
しかも株とは何か、企業の役割とは何か、市場は生活といかに関わっているかというイロハのイが忘れられている。
だから株式に係る税を下げるなどはとんでもない。
金持ち優遇ではないのかと、株など持ったこともなく投資リスクも取ったことのない連中やマスコミが、都合のよい時だけ庶民になる連中のねたみと嫉妬を煽り、とどのつまりは国を衰退させるのである。
日本以外のどの国が市場を白眼視しているのか、教えてほしいものである。
どこの国でも自分が一生懸命稼いだカネを一生懸命頑張っている企業に投じ、人生の夢の実現を市場に託しているはずである。
市場が全くない国がどうなったかは、「貧しさを憂えず、等しからざるを愛」を国是とした中共(中国)がどうなったか、そんな昔の話ではないのだからM沢東の顔でも思い出して考えてみるがいい。
貧乏に拍車がかかり、もっと貧乏になっただけが当時の中国ではなかったのか。
その中国がなぜ急速に力をつけることができたのか。
市場経済へと大きく変わったからである。
人の足を引っ張れば幸せになれるわけでもないだろう。
もう何とかのひとつ覚えのように、あたかも正義のように、「金持ち優遇はけしからん」などと叫ぶのは止めにしようではないか。
貧乏人や小作人に特有のDNAでしかあるまい。
テレビでレギュラーを持つと、いやでも変化に敏感になるし、毎週となると他とは違う切り口はないかと、常にキョロキョロ周辺を見渡す癖もつく。
「N経CNBC」というN経系のケーブル局でもう5年以上も『三原・I島のマーケットトーク』(毎週金曜17時〜ほか放映)という番組を続けている。
世の中には常に変化があり、変化があるからこそ物価も株価も動く。
その変化を読むことに努め、おかげで番組も長く続けてこられたのである。
もし世の中平穏無事で何ごともなければ、喋る場所をせっかくもらっても、タネがないことになる。
変化とは本当にありがたいものである。
しかもその変化のスピードも影響も、いまは昔と比べられないほど速く大きくなっている。繰り返しになるが、金持ちを優遇せずに虐待したら、いったい誰がリスクを取って事業を興し、人を雇い税金を払うのか。
代わりに税金を払う覚悟があって言っているのなら、それでりっぱな意見だが、その結果が日本は社会主義国化し大きな政府になることを覚悟して言っているようにはとても思えないのである。
人を幸せにした、しないといったねたみを煽っているのだろう。
日本の市場は物理的には日本にあるが、参加者はいまや世界中から来ているのであり、そんな中で国内の世論ばかりを気にしている場合ではないだろう。
る。
その証拠に、いつの間に新興国の株式市場を合計すると日本のそれとほぼ同じになっているではないか。
5年前には日本のたった5分の1ぐらいでしかなかったのだから、ものすごいスピードで大きくなってきた。
うっかりすると、そのうちに日本は新興国勢に抜かれてしまうかもしれない。
この世界の大変化を見て、改めて国内に目を転じると、相も変わらず「株は金持ちだけのもの」とか「証券税制は金持ち優遇だ」とかいった議論がまだ大声で論じられている。
「N経CNBC」に寄せられたご意見でも「もう優遇という言葉は止めてほしい。
むしろ市場活性化税制とか市場応援税制、リスクに対するご褒美税制」といったネーミングにしたらどうだという、まことに建設的な声もある。
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